哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

マルシリオ・フィチーノについて その3

 当時の権力者であるメディチ家の保護を受け、後の哲学者達にも多大な影響を与えたフィチーノですが、具体的にどんな「思想」だったのか。そこで注目された功績は、キリスト教とプラトン哲学の融和を試みた事です。当時のヨーロッパでは […]

マルシリオ・フィチーノについて その2

 さて、メディチ家の保護を受けたフィチーノですが、彼は別荘を与えられただけでなく、コジモ・デ・メディチが創設した私的なサークル「プラトン・アカデミー」の学長となるのです。この活動は後にイタリア・ルネサンス期に活躍した人文 […]

マルシリオ・フィチーノについて その1

 本日から紹介する哲学者はイタリア・ルネサンス期の人文主義者、哲学者、神学者のマルシリオ・フィチーノです。1433年頃に当時の権力者として名を馳せたメディチ家の侍医の子として生まれて、最初は医者の教育を受けていました。し […]

アンセルムスについて その5

 本日で最後となるアンセルムスは「神」を「最高の存在」と位置づけ、これを肯定するには神は心の外、即ち自らの内にも実在しなければならない、と考えたのです。そして、実在を否定する場合は、更に大きなものが他に認められるとも考え […]

アンセルムスについて その4

 前回の記事でアンセルムスの哲学について少し触れました、そもそも彼は著書でハッキリと「神の存在」を理性的に証明できるとした初めての人です。それまで、キリスト教では唯一絶対である「神」の存在は当たり前であり、そもそも存在証 […]

アンセルムスについて その3

 修道士になり、やがて修道院長になったアンセルムスですが、この話は続きと言いますか、当時の修道院、もっと言えば当時のイングランドにおける聖職者の特権等により、彼は長きに渡って国王達との戦いに巻き込まれていきます。全てを書 […]

アンセルムスについて その2

 さて、前回の記事で家を出てから、念願が叶って修道士になったアンセルムスですが、彼は修道院に入ってから才能を開花させて修道院長になったのです。そして、彼は15年にわたって、その座にあり続け、彼自身は積極的に推し進めたわけ […]

アンセルムスについて その1

 今回から紹介するのは、中世ヨーロッパの神学者で哲学者であり、晩年から亡くなるまでカンタベリー大司教の座にあったカトリック教会の聖人でもあるアンセルムスです。彼は初めて理性的、学術的に「神」という存在を把握しようと努力し […]

オッカムのウィリアムについて その5

 今回で最後となるオッカムですが、彼の代名詞と言える「オッカムの剃刀」は単純に他の可能性を剃り落とせばいいという内容ではないのです。この思考を成立させるには、今から書く3つの注意が必要になります。1つ目は「説明に不必要で […]

オッカムのウィリアムについて その4

 さて、オッカムの代名詞ともいえる「オッカムの剃刀」は、難しい言い方をすると「普遍の有無」やあらゆるものの「真の概念」等が実在するか、という論争における「類の概念」は実在しないという主張する派の哲学者たちの格言の事だと書 […]

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