哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

1月, 2016

ピュロンについて その5

 さて、今回はピュロンによって生まれた「懐疑主義」について少し掘り下げていきます。一般的に「懐疑主義」とは現在は基本的な原理、認識に対して、普遍性や客観性を吟味して根拠のない様々な独断を排除しようという主義、また「懐疑論 […]

ピュロンについて その4

 前回の記事では、ピュロンがエピクロスの思想に共感して、また違う主張をするストア派に対して否定という形で忠告した事を紹介しました。そんなピュロンが唱えた「不可知論」ですが、これは現代の哲学用語が持つ意味としては現象を超え […]

ピュロンについて その3

 さて、疑う事を哲学の主軸としてピュロンですが、前回では彼の主張が以前に紹介したエピクロスの「アタラクシア」、「心の平穏」に繋がる事を紹介しました。また、前回の記事で書いたセクストスは著書「ピュロン主義哲学の概要」の中で […]

ピュロンについて その2

 前回から紹介しているピュロンですが、今回は彼が唱えた「不可知論」を少し掘り下げていきます。ただし、ピュロンは自分で著作を残していないので、思想については西暦2世紀から3世紀頃の哲学者セクストス・エンペイリコスが残した「 […]

ピュロンについて その1

 さて、今年最初に紹介する哲学者は紀元前360年頃から紀元前270年頃に古代ギリシャ、、現在のイリア県に当たるエリス出身の哲学者ピュロンです。そして、古代の最初の「懐疑論者」として有名で、紀元前1世紀頃に創始された「懐疑 […]