哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

アンセルムスについて その4

 前回の記事でアンセルムスの哲学について少し触れました、そもそも彼は著書でハッキリと「神の存在」を理性的に証明できるとした初めての人です。それまで、キリスト教では唯一絶対である「神」の存在は当たり前であり、そもそも存在証明をする必要がなかった、とも言えます。そんな中で自身の著書「プロスロギオン」の中で、独創的な神の存在論的証明を試みたのです。神の証明論は、アンセルムス以後は「本体論的証明」、「目的論的証明」、「宇宙論的証明」、「道徳論的証明」の4種類の方法が誕生していますが、アンセルムスの証明論は最初の証明論である「本体論的証明」と呼ばれるものです。アンセルムスは神について「それより大きなものがないもの=最高の存在」と仮定して、この様に考えた場合、神は当然、心の外、即ち自らの内にも実在しなければならない。
 もし実在しないとすれば、それは神より大きなもの、つまり心の内に留まらず外の実在においても存在する様なものが他に認められると考えられる事になるのです。

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