哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

マルシリオ・フィチーノについて その2

 さて、メディチ家の保護を受けたフィチーノですが、彼は別荘を与えられただけでなく、コジモ・デ・メディチが創設した私的なサークル「プラトン・アカデミー」の学長となるのです。この活動は後にイタリア・ルネサンス期に活躍した人文主義で詩人のアンジェロ・ポリツィアーノや哲学者ピコ・デラ・ミランドラ等の直接的に影響を与えることになります。私的ながらも学長に就任した後はプラトン、プロティノス等の著書のラテン語訳を行い、前回の記事で書いた様にフィチーノによる「プラトン全集」の翻訳はルネサンス期の「新プラトン主義」を盛り上げる元になりました。世を去った後も功績を称えられ、またサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の参事会員だった事も影響してか、同大聖堂には彼の胸像が飾られています。
 また、近年ではルネサンスの芸術思想、魔術思想、神秘思想など多くの側面を持つ思想家として注目されているそうです。そんな彼は、その思想から「ルネサンスの神秘学の祖」と呼ばれているそうです。

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