哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 二十六

序論 反復と差異 九

一般性の二つのレヴェル――類似と等しさ 五

更にドゥルーズは続けます。

「反復が存在するのであれば、反復は、一般的なものに反する或る特異性、個別的なものに反する或る普遍性、通常なものに反する或る特別なもの、変化に反する或る瞬間性、恒久性に反する或る永遠性を、同時に表現している。あらゆる点で、反復とは、侵犯(トランスグレツシオン)なのである。反復は法則を疑わしいものとみなし、より深く、より芸術的な実現のために、法則の名目的あるいは一般的な性格を告発する。」

さて、ここで反復を定義づけていますが、ドゥルーズが言っていることはここでもまだ判然としません。しかし、反復が法則を告発するものであるということははっきりします。

ドゥルーズにおいての反復は、ここで述べられているように、ドゥルーズにとってははっきりと定義づけられるもののようですが、しかし、どれも抽象的な言葉での定義づけですので、判然とないのです。とはいえ、ドゥルーズにおける反復は、一般的なものでも普遍的なものでも永遠的なものでもなく、それらに対峙する概念ということは確かなようです。

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