3 09 2013
ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 二十五
序論 反復と差異 八
一般性の二つのレヴェル――類似と等しさ 四
更に見てゆきましょう。
「サン・プルーは、たんに彼の変化とジュリーの変化のゆえだけでなく、象徴的な価値を帯び、しかも彼を真の反復から排除する、自然のなかのもろもろの恒久性ゆえに、反復することは不可能であると思い知る。反復が可能であれば、反復は、法則に属するというよりも、むしろ奇跡に属する。反復は法則に反している。すなわち、法則の類似形式と等価内容に反しているのだ。反復が自然のなかにさえ見いだされうるのであれば、それは、法則なるものが反する事故を肯定し、諸法則の下で働き、おそらくは諸法則に優越するような、そうした力=累乗(ピユイサンス)の名においてである。」
ドゥルーズは、反復は、自然の中の恒久性故に反復することは不可能と言っています。法則が反復とは別のものとドゥルーズは語っています。反復とは奇跡に属する者ともいっています。さて、そうするとドゥルーズにおいて反復は何を意味しているのでしょうか。
多分、それは、一見、方策や自然の恒久性を再現しているかのように見えて、その実は、全く違う様相を帯びてたものとして「反復」していると言っているのではないでしょうか。たぶん、ドゥルーズの「反復」は一回限りのものなのではないでしょうか。
ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 二十四 ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 二十六