哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 二十五

序論 反復と差異 八

一般性の二つのレヴェル――類似と等しさ 四

更に見てゆきましょう。

「サン・プルーは、たんに彼の変化とジュリーの変化のゆえだけでなく、象徴的な価値を帯び、しかも彼を真の反復から排除する、自然のなかのもろもろの恒久性ゆえに、反復することは不可能であると思い知る。反復が可能であれば、反復は、法則に属するというよりも、むしろ奇跡に属する。反復は法則に反している。すなわち、法則の類似形式と等価内容に反しているのだ。反復が自然のなかにさえ見いだされうるのであれば、それは、法則なるものが反する事故を肯定し、諸法則の下で働き、おそらくは諸法則に優越するような、そうした力=累乗(ピユイサンス)の名においてである。」

ドゥルーズは、反復は、自然の中の恒久性故に反復することは不可能と言っています。法則が反復とは別のものとドゥルーズは語っています。反復とは奇跡に属する者ともいっています。さて、そうするとドゥルーズにおいて反復は何を意味しているのでしょうか。

多分、それは、一見、方策や自然の恒久性を再現しているかのように見えて、その実は、全く違う様相を帯びてたものとして「反復」していると言っているのではないでしょうか。たぶん、ドゥルーズの「反復」は一回限りのものなのではないでしょうか。

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