哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 二十四

序論 反復と差異 七

一般性の二つのレヴェル――類似と等しさ 三

「エリー・フォールは、ワトーについて、『彼は、いっそう移ろいやすいものを、わたしたちの視線が出合ういっそう堅固なもの、すなわち空間と大きな森のうちに置いた』と述べている。これが、十八世紀の方法なのだ。『新エロイーズ』のなかで、ヴォルマールは、そのひとつのシステムをつくってしまっていた。つまり、《自然》の法則がすべての個別的な被造物に余儀なくされているようにみえる一般条件としての変化、すなわち反復の不可能性は、固定的な項との対比において把握されていた(もちろん、この固定的な項もそれ自体、他のより一般的な法則との関連では、他の恒久性に対して変化可能な項になるだろう)。これが、木立、ほら穴、「聖」なる物の意味である。」

ここでは、ドゥルーズは具体例巣を上げて一般性と反復との対比を行っています。《自然》におけるもの、例えば、木立、ほら穴、「聖」なる物は、《自然》の法則に準じていれば、それは、法則となり、一般化するのです。つまり、「現存在」よりも移ろう速度がとても遅いので、《自然》の法則は、恒久的であり、一般的なのです。それは、即ち、反復の不可能性に結びつくと、ドゥルーズは述べているように思います。ドゥルーズにとって反復とは、何なのでしょうか。

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