哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 二十三

序論 反復と差異 六

一般性の二つのレヴェル――類似と等しさ 二

次にドゥルーズが思い描く反復のイメージのようなものが書き綴られています。

「……。ひとつの法則中の定数は、もっと一般的な法則のなかでは変数であり、それはちょうど、きわめて固い岩が、百万年単位の地質学的スケールでは、やわらかくて流動的な物質へ生成するのと似ているところがある。そして、それぞれの水準において、法則の基本は、まさに自然のなかの恒久的な大きい対象と比べてみてこそ、反復できないおのれの無力を悟るのであり、また、その基体は、恒久的な対象のなかに、そうした無力がすでに含まれ、反映されているのを発見し、その対象からおのれの[変化の]余儀ない状態を読みとる。法則は、もろもろの水の流れの変化を、大河の恒久性に結びつける。」

たぶん、ドゥルーズは、一般的な法則に則って反復――それを「仮の繰り返し」と呼ぶ――は起きないと述べているように思われます。それは、一度この世で起こってしまったものは、最早仮の繰り返しでしかなく、再現する事すら不可能で、然しながら、法則は、それを許さずに、法則に則った反復を強制する。このように読み取れますが、どうでしょうか。

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