哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 十九

序論 反復と差異 二

反復と一般性――行動の視点からする第一区別 二

「これとは逆に、わたしたちには、反復は代理されない[かけがえのないもの]ものに対してのみ必然的で根拠のある行動になるということがよくわかる。行動として、かつ視点としての反復は、交換不可能な、置換不可能な或る特異性に関わる。反映、反響、分身、魂は、類似ないし等価の領域には属していない。そして、一卵性双生児といえども、互いに置換されえないように、自分の魂を交換しあうことはできないのである。交換が一般性の指標だとすれば、盗みと贈与が反復の指標である。したがって、反復と一般性とのあいだには、経済的な差異があることになる。」

長い引用ですが、此処は、大切な個所に思えます。ドゥルーズによれば、反復は、交換不可能な、若しくは置換不可能なものとして定義づけられているのです。一方、一般性は、置換可能なものとして規定されます。反復には、或る特異性が関わると言います。さて、それは何なのでしょうか。このドゥルーズの掴み方というのは、ドゥルーズ独特だと思います。

, ,

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください