10 07 2013
ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 六
はじめに 六
「見せかけ(シミュラクル)においては、反復がすでに複数の反復を対象としており、差異がすでに複数の差異を対象としている。反復されるのは、まさに諸反復であり、異化=分化させられるのは、まさに異化=分化させるものである。生の務めは、差異がみずからを配分してゆく或る空間のなかで、すべての反復を共存させるところにある。」
ここでは、ドゥルーズは、積極的に差異と反復を肯定せよ、といっています。差異と反復を全て許容する事で、差異と反復のそれぞれは共存してゆくと、ドゥルーズは述べています。
「本書は、……一方は、否定なき差異という概念に関わる方向である。まさしく、差異は、同一的なものに従属させられないかぎり、[否定を介する]対立と矛盾に行き着くことはないだろうし、またそこに「行き着く必要もないだろう」からである。」
予測通り、ここでドゥルーズは、差異の肯定をはっきりと言明します。ここてぜ、差異は、同一に収斂すべきものではなく、差異は差異として積極的に肯定することを述べています。
ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 五 ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 七