哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 三

「差異は、ひとがその差異を同一的なものに従属させ続けるかぎりでしか、否定的なものを巻き込むことがないし、矛盾へと運ばれてしまうことがないからである」

さて、これはいったい何の事を述べているのでしょうか。思うに、差異と言うものには、同一というものがある筈で、その同一があると言う前提でしか差異と言うものは語り得ず、また、語っても無意味だと言っているのかもしれません。さもなくば、差異を同一がなければ、否定的なものも、況して矛盾するものへと冒険する事はない、と言っているのかもしれません。

次を読み進めます。

「同一性をどのように理解しようとも、いづれにせよ同一性の優位によって表象=再現前化(ルプレザンタシオン)(英訳:representation)の世界が定義される」

ここでルプレザンタシオン=表象とは、カントの例を引用しますと「一切の認識、即ち意識を以って客体に関係させられた一切の表象は直観であるか或は概念である。――直観は個別的表象であり、即ち反省的表象である」(『論理学』)。

やはり、同一が優位にあり得る事をドゥルーズは語っています。予想通りです。差異を語るには、その前に同一に関して言明しなければならないのです。

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