2 10 2013
ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 三十六
序論 反復と差異 十九
キルケゴール、ニーチェ、ペギーによる、反復の哲学のプログラム 二
1.
「反復そのものを、何か新しい ものにすること。そして、反復を、或るテストに、或る選別に、或る選別テストに結びつけること。そして、反復を、意志と自由との至高の対象として定立すること。キルケゴールは、つぎのように明確に述べている」
こうドゥルーズは書き、そして、次のように掘り下げています。
「すなわち、反復から、何か新しいものを抜き取らないこと、つまり、反復から、何か新しいものを抜き取らないこと。というのも、観照だけが、外から観照する精神だけが、『抜き取る』からである。」
これは、至極もっともなことです。当事者にとって自分がまきこまれている事象に関して、それが反復かどうか全く解りませんが、それを「外」から眺めている「他」にとってその眺めている出来事は何かの反復でしかありません。そして、その出来事から眺めている「他」が新しいものを「抜き取って」解釈し始めるのです。
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