20 09 2013
ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 三十二
序論 反復と差異 十五
反復、自然の法則と道徳法則 四
「……。ところで、習慣に関するそのような全体つまりそのような一般性のなかに、わたしたちは再び二つの大きなレヴェルを見いだす。一方は、類似のレヴェルであり、それは、習慣が身についていないかぎりにおいて、行動の諸要素が、前提とされる一つのモデルに応じて様々なかたちをとりながらも互いに一致するということである。他方は、等価のレヴェルであって、それは、習慣が身につくや、行動の諸要素が、いろいろな状況にあっても等しくなるということである。だから、習慣は、けっして真の反復を形成することがない。要するに、前者においては、意図は変わらぬままに、行動が変化し改善されてゆくのだが、後者において、意図とコンテクストが異なっているのに、行動は等しいままであることだ。」
ここも問題はないと思います。ドゥルーズは、習慣は、反復ではないと言っています。それは、習慣が身につくまでは、習慣が身につくまで行動が改善され、習慣が身につくと、それは、最早、変化せずに同じ行動を繰り返すのみだからです。
ドゥルーズは、反復を一回限りの特異なものと定義していましたので、此処に何の矛盾もありません。
ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 三十一 ジル・ドゥルーズ『差異と反復』の読解 三十三