哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

バールーフ・スピノザについて その2

 親交のあった政治家の友人が民衆の手で命を落とした事は、スピノザが「合理主義哲学」を展開する要因になった、と言われている事は前回の記事で紹介しました。また、その後の彼の生涯に関しては、ハイデルベルク大学教授として声を掛けられますが、自分が思索する時間が奪われると思い、辞退します。その一方で、彼の書いた「神学・政治論」は禁書となり、15年かけて纏め上げた思想の総括とされる「エチカ-幾何学的秩序によって証明された」の出版を断念、これは彼の没後に、彼の友人によって刊行されることになりました。同時代に、ブログで紹介したライプニッツとも会っているのですが、互いの思想を完全に理解できる間柄にはなれなかったそうです。
 そして、病名は不明ですが、肺の病で44歳という若さで世を去りました。ですが、彼の残した思想はカント、ヘーゲルなどドイツ観念論やマルクス、そして大陸哲学系現代思想へ多大な影響を与えたそうです。また、彼がレンズ磨きで生計を立てていた、という有名な伝承があるそうです。

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