哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

デイヴィッド・ヒュームについて その4

 さて、前回で少し紹介したヒュームの哲学ですが、彼が「因果法則」を否定したのには今から紹介する様な流れがあります。彼は主観的で限られた人間の「知性」によって、普遍的・絶対的な真理を知ることができないと考える「懐疑論」を、まず打ち立てました。そして、経験論の立場を徹底させ、経験を超えた事柄について判断する知性の権利や能力を否定したのです。この様な思考で彼は「人間本性論」を執筆して、客観的な物質世界や自我などの実体性を否定して、「因果法則も知覚の習慣に過ぎない」と述べたそうです。
 この「人間本性論」は、人間の感情生活に基づいた経験的な倫理も説いているため、「人倫論」とも称されているそうです。彼は、人々が日常的に信頼している知識はどこで構築されているか、という点を追求していき、その原因を「想像力」に求めたそうです。想像における、一定の条件と法則のもとに生まれるある観念から他の諸観念が発生する「連合」という事象に注目したのです。

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