哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ジョン・ロックについて その5

 さて、前回まで彼の生涯と、少しだけ哲学について書きましたが、本日からは彼の「哲学」について、もう少し掘り下げていきます。まず、哲学では自分が感じたり、聞いた事に対する「認識」を追求する事がありますが、ロックの場合も自分なりの「認識論」を持っていました。それによると、人間である我々の心は「白紙」として、生得観念、人間に生まれつき備わっている観念がないと主張したのです。観念の元となるのは、あくまで経験であり、人間側にあるのは概ね、それらを認識し、加工する能力だけである、というのがロックの考え方でした。
 そして、観念の起源は外的な感覚と内的な反省とに区分され、更に経験から得られた、これ以上分解できない「単純観念」からは様態・実態・関係という「複雑観念」が複数の原子の結合から分子が作られるように形成され、人が持つ知識とは経験から得られた諸観念の結合と一致か不一致と相反する、とされているそうです。難しくなりましたが、要は今まで当たり前に信じられてきた認識に対して異を唱えたのです。

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