哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ジョン・ロックについて その4

 絶対王政の風潮が強く、国民が国の方針について意見を持てなかった当時、ロックの著作が民衆の意識を変えて、国の在り方自体に影響を与えた事は前回の記事で少し触れました。「国家はみずからの意志に基づいて統治する権利を持つが、その国家主権は一人ひとりの国民の意志の総和に基づく」というのが、ロックの主張だったそうです。更に、前回の記事で触れた「社会契約」の他に、政府が人民から信託された権力を不当に行使した場合、政府に対して人民が抵抗する権利、「抵抗権」を持っている事も説いたのです。この「抵抗権」とは、政府が権力を濫用することを防ぐ事を目的としたもので、著作「統治論」の中では、抵抗権には新しい政府を樹立する事が出来る「革命権」も含まれているそうです。
 また、この抵抗権は後の「三権分立」の元となる、権力の分立を説いたものであり、その原理は国民が自分達の名誉の為に戦う事を正当化するものとなり、後の独立や市民による革命の指導的理念になったのです。そんな彼の認識論に関しては、次回の記事で紹介します。

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