哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ルネ・デカルト その6

 デカルトの名言「「我思うゆえに我あり」の元になった思想は、前回の記事で少し触れましたが、疑わしい考えや思想を観察、反省する事で生まれた彼の哲学の基礎です。著書「方法序説」の第4部では、唯一絶対の哲学を作るために、確実に正しいと言えること、即ち「第一原理」を追求した末に「私が疑うならば私は考えている」、「私が考えているならば私は存在している」、「私が存在するならば神も存在している」というシンプルながら基本的な事を改めて人々に提示して、立ち止まる度に自分から考える事を勧めたもの、だそうです。更に、この自論をデカルトは「全てを疑っても、疑っている自分は疑うことはできない」と結論付け、神の存在論的証明として精神と神の存在の認識を確実なものとして提唱したのです。
 そして、この規則から「自分の内なる理性」こそ、学問の絶対の基礎となりえると発見して、その為に様々な学問を体系化する事が全ての出発点になる、と考えたのです。因みに、この「我思う」はフランス語で書かれた著書を親交のあった人物がラテン語に訳した際に、この様に訳して、それが後世まで伝わったそうです。

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