15 08 2017
ルネ・デカルト その4
「我思う、ゆえに我あり」という近代哲学の新しい思想を築いたデカルト、彼の代表的な著作の一つ、前回の記事の最後に紹介した「方法序説」の冒頭も彼の哲学を表す有名な一文です。ここから、デカルトはあらゆる学問を考察して自身の学問に対する決意を述べたそうです。第二部では神聖ローマ帝国を舞台とした三十年戦争に従軍して、ドイツに居た時の思索について述べています。ここで有名なのは「暖炉部屋」という、「暖炉」に一日中こもって、最初に考えたのは一人が仕上げた仕事は多くの人が手掛けた仕事に比べて完全であり、一人の常識ある人間が目前の事柄に下す単純な推論は多くの異なった人々によって形成された学問より優秀である、という事でした。
この体験からデカルトは論理の規則について「証明」、「分析」、「総合」、「列挙」の四つの準則の必要性が記されています。これによりデカルトは代数学や他の諸科学を検討して、理性の有効を活用を得たと感じました。ですが、そうした諸学の基本となるべき哲学の「原理」を見出していない事に23歳で気付いたのです。