哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパについて その1

本日から紹介するハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ、一般的にアグリッパと呼ばれる人物は、1486年頃にドイツのケルンで生まれたそうです。このブログでは今まで様々な哲学者と思想を紹介してきましたが、恐らくアグリッパほど特殊な哲学を探究した人物はいないでしょう。なぜなら、彼の思想は「オカルト哲学」という前回のパラケルススと通じる部分があり、魔術を論理的に学問として分類したのです。これは思想を紹介する際に詳しく書くので、今回は生涯について紹介します。まず、彼の家柄は騎士の称号を持つ裕福な家柄でしたが、自ら放浪生活を送り、職業も安定していなかったそうです。
 1511年頃にイタリアに居た6年間はパヴァイア大学で講師をして、後に法律顧問の職を得ますが、思想の所為か異端扱いで追放、今度はジェノヴァに行って医師になります。それでも放浪は止めず、職も変え、一説によるとマクシミリアン1世の秘書になった、とも言われています。そして、1535年頃に南フランスのグルノーブルで最後を迎えた、とされています。

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