哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

パラケルススについて その4

 今回で最後となるとなるパラケルススは、人や自然は全て神が作った、そんな風に考えるのが自然だった中世ヨーロッパにおいて、「哲学者」として「神」の存在は肯定していました。そして、自分達が生きる世界は一つではなく「地上世界」、「天上世界(星の世界)」、「霊的世界」の3つで構成されていると考えたのです。また、人間を構成するのは体、精気、魂であり、地上世界の体、天上世界の精気は目に見える世界だり、それを支配する霊的世界にある魂は目に見えな世界だと唱えたのです。
 そんなパラケルススですが、彼が後世の名を残したのは、残された逸話が特殊だった事が影響しているのでしょう。調べた所、残された資料ではパラケルススは「哲学者」の側面より「錬金術師」として神秘的な側面を持つ賢者として語られている事が多く、その中に「人造人間であるホムンクルスを創る事に成功した」または最も有名なのは「賢者の石」という、どんな金属も黄金に出来るという霊薬を作った事です。日本ではゲームや漫画で扱われる事が多く、これが彼の名が今も語り継がれる要因の一つでもあります。

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