哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ニッコロ・マキャヴェリについて その6

 さて、本日で最後となるマキャヴェリですが、代表的な著作「君主論」で彼は自身の掲げる「理想の君主」に必要な事を説きました。前回の記事で大体は紹介しましたが、人の上に立つ為の「人の道」と、狐とライオンを例えに「獣の道」を説きましたが、この著作において紹介される「君主」について大まかに4つの要素が書かれています、最初は「君主の政治」、国家を維持する為に君主制が何故いいのかというメリットを紹介しているそうです。次に「君主の征服」です、君主制で国を統治するに辺り、君主は何を配慮すべきか、また統治に関する諸問題にも触れているそうです。
 そして、次と最後に提示したのは「君主の力量」と「君主の軍備」です、これに関しては前回で紹介した「運命」や「技量」が関わっており、軍備に関しても前回の記事にて紹介した内容が説かれています。こうして書き上げた「君主論」の他に「ティトゥス・リウィウスの最初の十巻についての論考」や「戦術論」という著作があり、こうしたマキャヴェリの思想は「マキャベリズム」として当時は批判されましたが、後にルソーによって再評価を受け、現代では客観的、近代的な政治学の始祖と考えられるようになったのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください