哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ニッコロ・マキャヴェリについて その5

 マキャヴェリの代表的な著書「君主論」については、前回少しだけ触れましたが、今回は彼の唱える「理想的な君主」について紹介していきます。彼は著作において「フォルトゥーナ(運命)」と「ヴィルトゥ(技量)」という考え方を用いて、君主とは「運命」を自ら引き寄せるだけの「技量」が必要だと唱えました。また、自身が体験した戦いから、国を治める為には軍を設立したり、より緻密な戦略を建てる重要性を故事を使って説いたそうです。そして、マキャヴェリは「君主論」の中で「政治が作る人為的な秩序を語り、国家の統合のためには君主はどのような反道徳な手段も用いる事が許され、またそれをしなければならない」と書いたそうです。
 国を守る為なら君主はどんな手段を使ってもいいし、しなければならないと読む人にとってはかなり過激な内容ですが、それだけ当時のイタリアが荒れていた事を表します。また、彼は人の上に立つものの在り方を「人の道」と説いて、「獣の道」として狐の狡猾さとライオンの威風を語り、この二つの道が君主には必要だと説いたそうです。

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