哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ニッコロ・マキャヴェリについて その3

 本日で3回目となるマキャヴェリは、先の記事で紹介した様に43歳という当時としても若い時に世俗から離れる事になりました。当時の生活に関する資料は手紙のみですが、元来の陽気な性格や人徳もあり、あまり苦労はなかったそうです。そんな中で執筆されたのが、彼の代表的な著書「君主論」です、これはマキャベリが自身の経験や学んだことを下地に、君主とはどんな人物であるべきか、また権力を獲得して、それを保持する為の力量が必要かを論じた政治学の本で1532年に刊行されました。この著書は近代的な政治学の始まりとされ、マキャベリは政治を宗教や道徳から切り離して考えるべきだと考えたのです。
 この「君主論」がメディチ家に評価され、後に再び役人になった彼は、後のクレメンス7世に「フィレンツェ史」の執筆を依頼されます。しかし、1527年に発生したローマ略奪を境に、また政治の場から離れる事になり、共和制を支持した昔の同僚からは低い評価を受ける事になりました。それでも、彼の思想が現在まで残っているのは、その考えに多くの人が賛同して、高い評価を得た事に他なりません。

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