哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ニッコロ・マキャヴェリについて その2

 哲学者でもあり、政治思想家でもあったニッコロ・マキャヴェリの思想に影響を与えたのが彼が実際に関わった外交です。外交官として国同士の衝突や海外へ何度も派遣された経験のあるマキャヴェリは、そこで見聞きした各国の為政者や古典から学んだ歴史上の人物の中から、優れた人物として教皇軍総司令官チェーザレ・ボルジアに「理想の君主像」を見出すようになります。そして、彼は自分の経験した事柄から、国の根源は金銭で雇う兵士ではなく、国が持つ「軍事力」にあると確信したのです。そして、自国民から軍を創設する事を計画しますが、これは上手くいかずに彼は職を失いました。また、ある事件の容疑を掛けられ、指名手配され、逮捕された経験もあるのです。
 ですが、何とか大赦で釈放されて、金銭的な問題を抱える事になりましたが、何とか命を繋いだのです。そして、43歳で世俗から隠れる様な生活になりますが、それでも読書と執筆に費やせる時間が得られたのは哲学者として名を残す要因の一つになった事でしょう。

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