哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

プロティノスについて その1

 本日から紹介するのは「ギリシア最後の哲学者」とも呼ばれる新プラトン学派の代表者プロティノスです、エジプトのリュコポリスに生まれ、現存する資料の一冊「プロティノス伝」によると「28歳の時に哲学への愛に燃え立った」とされ、アレクサンドリアにて新プラトン学派の創設者であり、神秘主義的哲学者のアンモニオス・サッカスに約10年か11年ほど師事したそうです。その後は自身の哲学を更に深める事を決意して、ローマ皇帝ゴルディアヌス3世が試みたペルシア遠征の軍隊に身を投じました。しかし、皇帝が死去したため、アンティオキアという都市まで命からがら逃亡したそうです。
 そして、40歳の時、ローマで哲学を教える塾の様な所を開き、「すべてのものは超越的な【一者】である【神】から流出すると同時に神へと返る」という「流出説」を唱えました。師事したアンモニオスの説には触れず、独自の説で約26年の間ローマ生活を送り、ローマ皇帝ガリエヌスと妃に尊敬される、という特権的な地位まで得ますが、晩年は流行り病になり、弟子であり医者であったエウストキオスという人物に看取られたそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください