哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

トマス・アクィナスについて その7

 今回で最後となるトマス・アクィナスは当時は受け入れるべきではないと言われたアリストテレスの哲学を受け容れました。これは「理性の真理」と言われ、また神学教授だったアクィナスにとって、万物の根源はキリスト教における「神」でしたが、その存在について盲目的に信じていたわけではありません。なぜなら、旧約聖書にといて、神は自身の存在に関する考えをモーセに与えていたからです。そこで、アクィナスはアリストテレスの存在に関する考えに修正を加えて、神は「存在そのもの」であり、純粋現実態であると結論づけたのです。
 そして、理性を超えた部分については、キリスト教の領域であるとして、例えば「神」や「死後の世界」、「魂」などの真理については、啓示によってのみ得られる「啓示の真理」を唱えたのです。こうして、これまでのアクィナスは「プラトン、アウグスティヌス主義」に代わり、「アリストテレス、トマス主義」を打ち出したのです。当初はローマ教会から異端とされましたが、結果として協会の世俗支配を支える理論として適当であるとされ、公認されたのです。そして、アクィナスに代表される中世の哲学は「スコラ哲学」と呼ばれるようになりました。

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