哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

トマス・アクィナスについて その3

 トマス・アクィナスは、揺るがない決心と優秀な頭脳により、入会した「ドミニコ会」の総会に34歳で出席しました。そんな彼は、とても観念的な価値観を持っていたとそうです。同じ時代の人々と同じ様に良い物と悪い物を明確に分ける見方をしていたのです。例えば、13世紀のドイツのキリスト教神学者で、アリストテレスの著作を自身の体験で検証し、注釈書を多数残したアルベルトゥス・マグヌスという人物が、彼に自動機械を見せた際は、それを悪魔的だと批判したそうです。
 ですが、決して嫌な人物ではなく、同時代の人々が残した記録によると、見た目は非常にふくよかで大柄、色黒であり頭髪は薄いながら、所作には育ちの良さが見受けられ、非常に親しみやすい人柄だったそうです。教皇ウルバヌス4世の願いに応え、ローマで暮らした後、再びパリ大学神学部教授となって、アウグスティヌス派や他の哲学者の考えを中心とする人々と論争を繰り広げながらも、常に落ち着いており、論争者達に非常に慕われていたそうです。

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