哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

アナクサゴラスについて その3

 本日で最後となるアナクサゴラスは、アルケーの複数性を基に、その数がエンペドレクスの定義する4つの元素に限定される必要はないを考えました。彼は空気をアルケーとみなしたアナクシメネスの説を踏まえた上で、世界に「無数に存在す多様かつ微小なアルケーの存在」を仮定することによよ、これを「スペルマダ」と名付けて、これが万物の源であり、それは種子の様な性質を持つものであると考えたのです。
 そして、宇宙の回転運動によって、この「スペルダマ」の結合分離は発生し、それが万物を生成させると説き、その回転運動を支配することにより万物の生成を促すきっかけとして作用する力を「理性・知性」の意味を持つ「ヌース」を呼んだのです。この様な主張から彼は哲学史の分岐点となり、物質が微小の構成要素から成るという思想、または秩序の成立に対する機械論的な過程に対する強調によって、アナクサゴラスの理論は後に提唱されていく人類の「原子論」への扉を開く事になったのです。

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