哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

アナクサゴラスについて その2

 アナクサゴラスは紀元前に自然哲学者として、隕石を観察して太陽が燃え盛る巨大な石である、という進歩的な天体説を唱えました。ですが、この説は太陽の神に対する不敬罪に問われ、神を信じていないという理由で欠席裁判で死刑を宣告されてしまいます。この時に友人だったペリクレスがアナクサゴラスを弁護したため、結果、軽微な刑で済みました。ですが、ガリレオより前に天体の真実を突き止めにも拘わらず、この事で彼はアテナイをさることを余儀なくされ、ランプサコスで死去するまで過ごすことになりました。
 彼に与えられた処遇と運命から、当時の哲学がまだ有利な地盤の固まっていないことは明確ですが、アナクサゴラスの死後、その哲学的思想はアテナイにおいて隆盛を極めていく事になるのです。そんなアナクサゴラスは、世界の生成と消滅を考える上で「宇宙論」を構成し、世界を構成する物質の存在とそれに動きを与える要因を区別して提唱しました。それはエンペドクレスより意識的かつ洗練されたものでした。

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