哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

アナクサゴラスについて その1

 本日から原子論への道を開いた古典哲学の自然哲学者アナクサゴラスを紹介します。生没年は紀元前500年から紀元前428年頃、小アジアのイオニアのクラゾメナイ、今のトルコに生まれ、後にアテナイに移り住み、自然学者として活躍します。これ故にイオニア学派の系譜をひくとされ、またアテナイにイオニアの哲学と科学的探究の精神をもたらしたそうです。アナクサゴラスは天体や隕石の観測結果を基に、宇宙の秩序に対する新しい説を提唱しました。太陽をはじめとした天体や、日食や月食といった自然現象に対する科学的な説明を試みたのです。
 アテナイに移り住んだ最初の哲学者であるアナクサゴラスは、アテナイの政治家であうペリクレスの師であり友でした。彼は当時、落下した隕石は観察により「太陽は燃え盛る巨大な石の塊であり、ペロポネソス半島より大きい」という進歩的な天体説を唱えました。これは今でこそ当たり前の事ですが、当時は太陽神アポローンに対する不敬だとして罪に問われたのです。

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