哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

デモクリトスについて その3

 さて、本日で最後となるデモクリトスですが、彼は前回の記事で「アトム」について主張をしました。これによりデモクリトスの師匠であるレウキッポスが説いた、すべてのアトムの運動と連結により構成されるという「原子論」を完成させる事になったのです。この理論によって哲学者タレス以降、提示され続けた万物のアルケーを求める問いに対し、「それはアトムとしての物質である」という具体的な解答が与えられる事になったのです。
 この原子論の基本的原理の完成は、ヘレニズム時代の哲学者エピクロスやルクレティウスへと継承されていき、近代に入ると再び原子論が見直される事になったのです。そして、19世紀にドルトンが原子の基本的構造を科学的を明らかにしたのです。この事より、近代的な原子論が完全に確立され、原子論は発展を遂げていく事になるのです。科学的に解明された事は別にして、これがデモクリトスの功績であり、後の哲学に大きな影響を与える事になったのです。

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