哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

エンペドクレスについて その2

 「弁術論の祖」と称されたエンペドクレスの哲学では、プログでも紹介したパルメニデスの議論を基に、感情世界の多様化と変化を説明しようと試みた人々を「多元論者」と呼びますが、エンペドクレスは代表的な人物の一人なのです。彼はパルメニデスの教えを継承して、真なるアルケーは不生不滅のものと考えました。しかし、その数はパルメニデスが提唱した様に一つである必要はなく、4つであると提唱したのです。エンペドクレスの哲学では、アルケーは万物の源である「リゾマータ」と呼ばれる「土(大地)」、「水(海)」、「火(太陽)」、「風(空気)」の4つの物から出来ており、この4つが結合、または分離する事で多様な世界が作られる。この結合と分離とは「愛(ピリア)」と「争い(ネイコス)」という二つの力によるものである、と考えたのです。
 エンペドクレスは「リゾマータは、最初は4つのものが結合した球体であるが、しだいに憎しみの力が勝って4つに分かれ、愛が再び力を得てまた元の完全な結合状態に戻り球体になる」と説いたそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください