4 09 2016
エンペドクレスについて その2
「弁術論の祖」と称されたエンペドクレスの哲学では、プログでも紹介したパルメニデスの議論を基に、感情世界の多様化と変化を説明しようと試みた人々を「多元論者」と呼びますが、エンペドクレスは代表的な人物の一人なのです。彼はパルメニデスの教えを継承して、真なるアルケーは不生不滅のものと考えました。しかし、その数はパルメニデスが提唱した様に一つである必要はなく、4つであると提唱したのです。エンペドクレスの哲学では、アルケーは万物の源である「リゾマータ」と呼ばれる「土(大地)」、「水(海)」、「火(太陽)」、「風(空気)」の4つの物から出来ており、この4つが結合、または分離する事で多様な世界が作られる。この結合と分離とは「愛(ピリア)」と「争い(ネイコス)」という二つの力によるものである、と考えたのです。
エンペドクレスは「リゾマータは、最初は4つのものが結合した球体であるが、しだいに憎しみの力が勝って4つに分かれ、愛が再び力を得てまた元の完全な結合状態に戻り球体になる」と説いたそうです。
エンペドクレスについて その1 エンペドクレスについて その3