哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ゴルギアスについて その2

 哲学者ゴルギアスは評価されたものの、プラトンは真理の追究の為ではなく、社会的成功の為だけに自分の弁術論を振るうソフィスト達を「食べる人の栄養価を考えず、大衆の舌を喜ばせようと腕をふるう料理家」と非難したそうです。ですが、ソフィスト達が自然哲学に対抗する事で「哲学的探究のテーマ」の中心が「人間」となり、この思想が後のソクラテス、プラトン等の「古典ギリシア哲学」の時代を到来させたという点は、哲学史上無視できない事でしょう。ゴルギアス自身も当時のアテナイでは、その熱弁が民衆に高く支持され、受け入られていました。
 後に100歳以上まで生きたと言われるゴルギアスは、その間に弁論で膨大な量の金銭を稼ぎ、それを基に神殿に奉納する為に自身の黄金像を作ったと言われています。このブログで紹介した哲学者の中にも富を得た者はいるでしょうが、それを使って自身の黄金像を作ったという逸話があるのはゴルギアスくらいでしょう。そんな彼の哲学は次週から紹介します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください