哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ゴルギアスについて その1

 本日から紹介する哲学者ゴルギアスは前回まで紹介した哲学者プロタゴラスの唱えた「ソフィスト」の代表的な人物で、彼と共にソフィストの第一世代であり、生没年は紀元前487年頃から紀元前376年頃、シチリアのレンティーニに生まれました。故郷の町が敵国シュラクサイと争った際には、救出を求める為に外交使節の代表となり、当時同盟国だったアテナイを訪れて、その雄弁さで人々を感嘆させたという逸話があります。
 プロタゴラスの他にもヒッピアス、トラシュマコスといった当時の有名なソフィスト達の一人であり、優れた弁術とパフォーマンスでアテナイの人気を勝ち得たのです。しかし、自分の論理を正当化する為に不合理な立場でさえ強く見せる事も平然と行ったされ、ソフィスト特有の詭弁家としての側面が多く見られるという批判もあったそうです。ですが、故郷から修辞学、弁術論を移植した事と、文学的散文に使う言葉として古アテナイ方言の普及に貢献した事は評価されています。

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