哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

アナクシマンドロスについて その2

 今回は後世に様々な功績を残したアナクシマンドロスの哲学者として思想を紹介します、彼は師であるタレスの唱えた「万物の根源は水である」という考えに対し、「世の中には、火もあれば水もあり、相反するもので溢れている」という考えを持ち、タレスの「水」だけでは万物を説明することは出来ないと説いたのです。そして、あらゆる属性を併せ持つ「無限定の何か」を想定することで、万物を説明しようと試みたのです。
 タレスの自然万物の理に基づき、この天上の世界、そして世界を創造するアルケーとして「無限定なもの、無際限なるもの、無限定なるもの(アペイロン)」という一つの概念を提唱した上で、「物事の根源はアペイロンであり、事物はまた自らが生まれた場所へ必然的に消え去っていく」と唱えたのです。このアナクシマンドロスが提唱した「無限定なもの」とは「万物の根本原理は、水や火といった固有の性質を持つものではなく、相反する性質などを無制限のうちに含んだ、火とも水とも言えない無限定の何かである」と考えたのです。

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