哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ヘラクレイトスについて その4

 さて、今回で最後となるヘラクレイトスですが、彼の定義した流転説ですが、その続きがあるのです。すなわち、ヘラクレイトスは結合と分離を繰り返す万物の無秩序な変化に「万物流転の真理」を見出したのでしょう。こうした提唱は、パルメニデスの説く「存在」の対になるものと考えられているのです。また、この様な考えを持ったヘラクレイトスは、争いのない平和を説いていたホメロス等の哲学者を批判したそうです。また、ピュタゴラスやクセノパネス、ヘカタイオスといった科学的な研究を行う事を「単なる物知り」と批判することもあり、その哲学的思想の中に批判的な精神を垣間見ることができます。医者の診察を拒んだり、批判的な意見を言うことも、彼が孤高の哲学者だった理由の一つかもしれません。
 ですが、そんな彼の言葉は断片ながら現在にも伝えられています、その中でも彼の万物が流転するという哲学に基づいただろう言葉があります。それが「火は土の死により、空気は火の死により、水は空気の死により、土は水の死による」です。

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