哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

メリッソスについて その2

 さて、前回はメリッソスに関する逸話を紹介しましたが、本日から彼の思想を紹介していきます。彼は師であるパルメニデスの「実在の定理」から継承し、独自の解釈した上で発展させた事は書きました。その解釈は真に存在するものは不生不滅、始まりもなければ終わりもない、それは空間にも無限である、という内容で、メリッソスはパルメニデスの「あるもの」を限定された球体とする考えを改変すると共に、パルメニデスが漠然と捉え、解釈していた「空虚」、「何もない空間」の存在を否定したのです。
 いかなる空虚もあらぬ、なぜなら、空虚はいかなるものでもあらぬからである。いかなるものでもあらぬものは、またありえないのであるから、それはまた動くこともできない、というのも、そのものはどこにも退却することができず、むしろ充実したものであるから、実際それが空虚なものであるとすれば、それは空虚へと脱却していくだろうが、いかなる空虚もあらぬとすれば、それは退却するためのどの様な場所も持っていないことになるだろう。これが彼自身の論述だそうです。

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