哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ディオゲネスについて その5

 さて、今回で最後となる哲学者ディオゲネスですが、彼は自身の人生を通し、「自由人」となることで、何も必要としない事こそが「神」の持つ性質であり、必要なものが少なければ少ないほど神に近い、簡易的な理想の生活が送れると悟り、彼は亡くなった後に伝説的な人物としてストア学派の哲学者を中心に理想の賢人と称えられたそうです。他の逸話では外見に無頓着で、住むところも気にせず、ある時は酒樽を住処にしていた。またはアレクサンドロス大王が訪れた際は挨拶に来ず、大王の方から出向いたにも関わらず、そこに立たれると日陰になるからどいて下さいと言ったなど、本当に「賢人」なのかと疑いたくなります。
 そんな彼は意外な所で登場しています、それはイギリスの作家アーサー・コナン・ドイルが発表した代表作「シャーロック・ホームズ」シリーズの中にある短編「ギリシャ語通訳」です。ここではホームズの兄であるマイクロフト・ホームズは他者との交流を嫌う人の為のロンドンで最も風変りな「ディオゲネス・クラブ」の創設者の一人であり、その会員だという設定があるそうです。

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