哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ディオゲネスについて その4

 ディオゲネスは哲学者として、人生の目的は「徳」であり、人は自然的な欲望を持っていることは醜いことではない。幸福を手に入れるためには、人が本来持っている自然的な欲望を簡単な方法で実現させ、満足させることだと説いたのです。それを実生活の上で目標として、身体を少ない欲望を持つ様に訓練する「アスケシス」、自足「アウタルケイア」、無恥「アナイデイア」の三つを行っていく犬儒学派、キニク学派が生まれたのです。また、ディオゲネスは当時の哲学者として功績を残していたプラトンの唱えた「イデア論」に反対した事で有名です。
 その逸話では、ディオゲネスはプラトンに対して「机そのもの」というものは私には見えない、等と言って、プラトンに「狂ったソクラテス」と評されたそうです。他にも、プラトンが論じた「人間の定義」、人間とは二本足で体に毛のない動物である、という主張に対して羽をむしった雄鶏をつきつけて「これがプラトンという人間だ」といった逸話もあるそうです。

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