哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

アルケシラオスについて その2

 前回の記事で大まかな紹介が済んだアルケシラオスですが、実はこの前に扱った哲学者ピュロンと繋がりがあるのです。それは、ピュロンの提唱した判断停止の「エポケー説」をアカデメイアに採用したことです。これは自分の理論を深めていき、親しくなったクラテスが亡くなった後にアカデメイアの学頭となった際に、それまで一般的に言われていた「確実な知識」の否定して、エポケー説によってアカデメイア全体を懐疑主義に導いたのです、また、キケロという人物が残した「弁論家について」という書物では、アルケシラオスは当時のアカデメイアで主流だった論理的な問題の研究に満足せず、新しい議論のやり方を始めたと残されています。
 ピュロンとアルケシラオスの繋がり、もとい共通点は他にもあります、それは著作がないことです。なので、こうして紹介していますが、アルケシラオスの正確な思想は知ることはできませんが、後世の哲学者マルクス・トゥッリウス・キケロやセクストス・エンペイリコスらの著作から推測することは出来ます。

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