哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

エピクロスについて その19

 今月も残り数日となった本日は、哲学者「エピクロス」に関する最後の記事になります。そもそも、彼の哲学は「自然思想」と「認識論」から始まったのです。まず、自然思想は以前の記事で名前だけ出た古代ギリシアの哲学者で原子論者デモクリトスを負って、世界は「それ以上に分割できない粒子」である「原子」と「空虚」から成り立っていると考えました。それを踏まえた上で、そうした存在を認識する際に用いられるのが「感覚」であり、エピクロスは感覚こそ信頼できるとして認識に間違いが起こるのは感覚経験を評価する時に発生する思考過程によるものだと考えました。
 この様な認識論が、彼の唱える「快楽主義」の理論的な基盤となったのです。そして、エピクロスは幸福を人生の目的とした、苦痛や恐怖から解放される自由な生活を送ること、平静な心を意味する「アタラクシア」を極める事が正しいと定めたのです。彼の教えは死後も長く続き、他の諸々の学派に色々な移り変わりを経て、継承されていったです。

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