哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

エピクロスについて その14

 十月も残り僅かになり、来週末にはハロウィーンがあります、この際の「仮装」は現世にやってくる魔物や死者等から身を守る為に行うのです。その死者となる際に訪れてる「命の終わり」を、エピクロスは「精神に最も恐怖を与えてきた事柄」と主張していました。ですが、寿命は避けようがなく、これでは「心の平穏」に辿り着けない。そこでエピクロスは「命の終わり」について考え、やがて「それは何ものでもない」という結論に至ったのです。
 そして、エピクロスは「死は色々な悪いものの中で最も恐ろしいと考えられいるが、実は何ものでもない。なぜなら、われわれが生きて存在している時には命の終わりは存在せず、実際にやってきた時にはわれわれは存在しない。だから、命の終わりは生きている人にも死者にとっても何ものでもない。その考えに慣れるべきである」という内容を「メノイケウス宛の手紙」に書いたそうです。この「恐怖からの開放」が精神の最大の快楽だとエピクロスは考えたのです。

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