哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

エピクロスについて その10

 前回から取り上げているエピクロスですが、彼の唱える「快楽主義」とは「身体の健康と心の平静」が生きる目的であり、この為に吟味した欲望は必要なのです。そうして、必要な欲望だけ追い求めれば、身体の健康という「肉体の快楽」と、心の平穏という「精神の快楽」が得られるといいます。少し前に書いた記事で、エピクロスの哲学はギリシャ語で「平静」を意味する「アタラクシア」に到達する事と紹介しました。これには心だけでなく、「苦痛や恐怖に乱されない身体」も意味しており、彼の哲学は「乱されない心身を得る」という事になります。
 この時、エピクロスが重視したのは「精神の快楽」と言われています、何故なら、先にも書いた「身体の健康と心の平静」という目的を達成すれば心は乱されないからです。こう考えると「快楽」とは、幸福な人生観を主張していると分かります。また、人間は生まれながら「快楽」と持っており、それを「第一の善」と認めている、とも主張します。それに関しては、次回の記事で紹介します。

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