哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

エピクロスについて その5

 前回からエピクロスの哲学を少し紹介しましたが、実は現存する資料は数が少ないのです、前回の記事で一部を引用した「ピュトクレス宛の手紙」も、そんな数少ない資料の一つです。そう書くと自分で何も書かない人かと思うでしょうが、3世紀前半頃に活躍した「ギリシア哲学者列伝の著者」です哲学史家ディオゲネス・ラエルティオスによればエピクロスの著作は数多くあり、自然研究に関する内容と人間に関する内容が大別して、300巻以上に及んだそうです。ですが、今では大半が失われ、残っているのは数通の書簡と主要な教えを説いた本に断片的な資料だけだそうです。
 それだけですが、そこには彼の教えがしっかり書かれています、例えば「ピュトレスク宛の手紙」では「われわれの生活に必要なのは理に反する事でもなく、根拠のない思惑でもなく、われわれが魂を乱すことなく生きることである」という内容も書いています。そうして、エピクロスは「人間の魂」に関心を向け、その中心に「快楽」を見出すのです。

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