哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

エピクロスについて その4

 さて、前回から紹介している哲学者エピクロスですが、元々は自然の研究をしていたそうです。それが人間の悩みや痛みなどに移行する要因が「安心」と「自信」です、これに関して、ピュトクレスという人に宛てた手紙で「空の事を考えて辿り着けるのは、平静な心境と確固たる自信を得ること意外はない」という内容を残しています。
 これは彼の「快楽の哲学」の中心概念であり、前回の記事で書いた「アタラクシア」とはギリシャ語で「乱さることがない」という意味があります。ここでエピクロスが重きを置いたのは人間であり、自然研究の背景には人の悩みや痛みなどがあって、それが原動力になっているとも指摘したそうです。それがエピクロスの「主要教説」に残されています。ここでは天空に関する事象で気がかりや、死は人間にとって何を意味するのか、苦痛や欲望の限界をしっかり把握していないとか、そうした事が我々を悩まさないなら自然研究は必要なかっただろう、という内容を述べています。

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