哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

エピクロスについて その1

 さて、七月も残り数日の本日から紹介する哲学者は前回のカントから時代を一気に遡って紀元前に生まれた「エピクロス」です。このブログで紹介した「ピタゴラス」と同じ、サモス島の出身で、紀元前341年に生まれたと言われています。彼の両親はアテナイ人で、元はアテナイの名家であったが、移り住んだサモス島で育ったとも言われています。
 父は教師でしたが、生活は裕福とは言えなかったそうで、エピクロスがアテナイに戻ったのは紀元前323年、彼が18歳の時です。当時はアテナイ人の青年には2年間の兵役義務があり、それでアテナイに上京したのです。この時にアカデメイアでクセノクラテス、またリュケイオンでテオプラストスの講義を聞いたそうです。兵役義務を終えた、エピクロスは家族の元へ戻りますが、サモス島のアテナイ人の入植者は、アレクサンドロス大王の後継者であるペルディッカスによって苦しい生活を強いられ、対岸にある小アジアのコロポンにのがれており、そこで家族と合流した後に彼は哲学者の門下になったと言われています。

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