哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

イマヌエル・カントについて その19

 前回から、カントに関する色々な逸話を紹介していますが、更に私生活に関する逸話が後世まで残っている様です。例えば、カントが生涯を通して独身だった理由、これは女性と距離を置いて、積極的に求婚しなかった為だと言われています。ですが、彼が哲学の道に進むきっかけとなったニュートンが仕事が忙しくて恋愛をする暇が無かった様に、カントも仕事が忙しかったという可能性もあるとされています。
 また、家族と交流が少なかった事も今に伝わっていますが、弟が手紙で「会いたい」と何度も書いても、その返事を二年掛けて書く程でした。交流が少なかったのは、カントによると「知性のレベルが合わない」からだそうです。そんなカントですが、ルソーの「エミール」を読みふけって普段の散歩を忘れた、というエピソードもあります。微笑ましい話ですが、これに影響を受けた様で、カントはルソーに関しては著作の中で自分の誤りはルソーが正してくれた、人間を尊敬する事を学んだ、という残す程だったそうです。

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