哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

イマヌエル・カントについて その15

 さて、前回までカントの考える哲学による、理性の在り方等を紹介してきました。そんなカントの「純粋理性批判」は結局、どのように位置づけられるのでしょうか。カントは「批判」と名前がついた著書を三冊出しています。「純粋理性批判」に「実践理性批判」に「判断力批判」が、その著書のタイトルです。これらは「三批判」と人々に呼ばれています、ですがカントは最初に書いた「純粋理性批判」を仕上げた1781年頃、この一冊で未来の全ての哲学の基礎が固まったと思っていました。なので、そこには理論哲学の原理に限らず、実践哲学の理論も書かれていました。実践哲学とは、倫理、道徳、更には信仰の事です。
 その後に二冊の批判書が書かれたのは「純粋理性批判」での設計図が更に発展して、詳細化されたからと言っても過言ではありません。そんな中で、カントは「純粋理性批判」の最後に「理性」の全ての関心を「何を知る事ができるのか」、「何を何をなすべきなのか」、「何を望んで良いのか」という内容の三つの問題にまとめたのです。第一は形而上学、第二は道徳、第三は道徳に基づいた宗教が関わっています。

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