哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

イマヌエル・カントについて その5

 本日まで哲学者カントが職業哲学者になるまで、を紹介しました。そして、本日からカントの「思想」になります、彼は思想は三つの「批判」の時期に分けられており、この事から彼の哲学は「批判哲学」と呼ばれています。一度目は代表作「純粋性批判」の刊行前、自然哲学論考から就職する為に書いた論文までの批判期です。この頃のカントは自然哲学に関心があり、特にニュートンなど今も名を残す人物の哲学の本も読んでいました。そこでカントはニュートンの力学や天文学を受け容れた上で、それを乗り越える論文を書きました。 ですが、その一方で「人間の全ての知識は我々の経験に由来する」とする、哲学または心理学の立場である「イギリス経験論」など、形而上学にも刺激を受けます。また、ルソーの著作を読んで、道徳哲学や人間論に影響を受けます。この様にして、彼は「知性」にとって対象が与えられる二つの領域、そこでの人間性の働きについて等を扱った論文を書きました。これが頃に「純粋理性批判」の基本的な構想はあったそうですが、一冊にまとめるには年月が掛かりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください